日誌

2020年4月の記事一覧

照于一隅(一隅を照らす)」の精神のもと

   皆さん,こんにちは。学校長の大住満寿夫(おおすみ ますお)と申します。徳島中央高校のホームページへ来ていただいて,ありがとうございます。
 今年,2020年(令和2年)は,干支の庚子(かのえね),十二支の「子年」にあたり,再び新しい十二支のサイクルがスタートする年です。庚子が表す意味は,新たな芽吹きと繁栄の始まりであり,経済において,株価が上昇し,経済が上向きになると言われています。
 さて,我が国は「人口減少」と「災害列島」という国難とも呼べる課題に直面しています。また,経済産業省が2025年を目途に,日本のキャッシュレス決済率を40%にするという目標を掲げて推進している「キャッシュレス化」を目指したり,国土交通省は,故障時対応もしてくれる自動車完全自動運転化,その他に,現行の移動通信システムである4Gの10倍の高速通信を可能とする第五世代移動通信システムである5Gの到来,さらには,2030年以降の商用利用が予定されている,まるでSF映画のような,テレポーテーションをしたかのような体験ができる超高速通信ができる6Gなど,これまでの常識が通用しない「未知の世界」が眼前に広がる時代を迎えています。そして,社会が変われば働き方も変わり,働き方が変われば求められる能力も当然変わってきます。具体的にどのように変わっていくのか,その変化のスピードや姿は誰にも予測することはできないと言われています。
 そのような中,生徒が激変する未来を生き抜いていくには,基礎学力向上のための教育,生徒が社会的に自立できる教育,コミュニケーション能力等の社会性を伸長する教育,職業観や就業意識を高めるキャリア教育などの充実を図る必要があります。そして,不登校経験者等には,教職員が生徒一人一人と向き合う姿勢を大切にして,生徒・保護者との信頼関係づくりに努めなければなりません。本校では,こうした問題にいち早く取り組み,不登校や高校中退者などの学び直しの場として重要な役割を果たしています。これらのことを解決するために,本校では,「支援相談員・カウンセラーの導入」や「通級による指導」など相談・支援の充実を図るとともに,不登校経験者,特別な支援が必要な生徒や外国につながる生徒などを受け入れ,「学びの場」,「居場所」,「学びのセーフティネット」として様々な生徒の学びの場を保障し,その生徒たちの社会的な自立の支援を行っています。
 今後も,徳島中央高校の玄関脇にある青石の記念碑に刻まれた「照于一隅(一隅を照らす)」という文字の意味である「それぞれの立場で精一杯努力する人はみんな,何者にも代えがたい大事な国の宝だ」の精神のもと,本校は,次代を担える人材の育成を行っています。
  結びになりますが,これまで徳島中央高校を支えていただいている徳島県高等学校定時制通信制教育振興会,振興会賛助会員様,県教育委員会並びに関係各位の皆様に心から感謝申し上げますとともに,今後も子どもたちが,夢を抱き,未来を切り拓いていくための「生きる力」を身に付けられる場と機会の創出に全力で取り組んでまいりますので,引き続き,ご支援,ご協力をよろしくお願いいたします。
                                                      2020年4月1日
                                                   徳島県立徳島中央高等学校
                            校長 大住 満寿夫